感情をどう表現するのか苦戦している新人歌手がいました。
あるYouTubeで、新人歌手の初レコーディングの様子を観ていたとき、動画内で、ディレクターが歌手に「想像力が乏しい」と話していました。
音楽じゃなく、カラオケっぽいと。
なぜそのような事態が起きるかというと、「きれいに歌う」「音程を気にする」ことなどに重きを置いて歌っているから、カラオケに感じると。
本来、歌は、歌詞を読み込み、気持ちをイメージさせ、感情を出すことが大事です。
これらを踏まえた上で、音程を気にした方がいいですよね。
新人歌手は、重きを置く順番を間違えていました。
そこでディレクターは、
- あくびをする
- 口から根っこが出ているイメージ
- 元気よくバイバイする
などのアドバイスをしていました。
すると、歌手は元気になり、感情が乗り、熱量がこもる歌を歌えるようになりました。
芝居に共通するもの
私は、この一連の流れに懐かしさを感じます。
というのも、芝居に共通するからです。実は、20代の頃、俳優業をやっていた時期がありました。
大きくいい声を出すのではなく、台本を読み込み、何を言っているのか意味を考え、役のフィルターを通し、どう感情を表現するのかが大事になってきます。
例えば、戦争のお話でしたら、私たちの世代ではイメージしにくいので、自分たちで過酷なこと(その時は房総半島を自転車で一周)を体験してみたりしていました。
そして、その過酷なことで得られた感情を素直に出すのです。
ですが、感情を素直に出すのは難しい。
戦争の舞台では、戦争を経験したことがない人には、どう感情を作るのか分かりません。
その時、大事になってくるのが、自分の中の似た感情に置き換えること。
房総半島を自転車で一周したのも、戦争の過酷さを体力の限界まで追い込むことで似た感情を作り出しました。
私は作品で感情を出す
歌や芝居では、感情を出すには、自分の中の似た感情で置き換えるといいと話しましたが、私は作品作りで感情を表現しています。
私の作品は異世界に関係するものと前にも話しましたが、異世界を描くとしたら想像し、創作になります。
つまり私は、異世界(創作)+α(感情)で作品作りをしています。
- 異世界+悲しい
- 異世界+怒り
- 異世界+もどかしい
などなど。
ただ、この+α(感情)は作品作りにおいて、より具体的な方が表現しやすいです。
例えば、この「コミアゲル」ですが、「人を待つ世界+待つことの喜び・ワクワク」をひまわりで表現しています。

2025年
キャンバス(300×100mm)、アクリル絵の具、ミリペン
「喜び・ワクワク」を人を待つ女性(ひまわり)の後ろ姿で表現しており、周りの花びらを溢れ出る「喜び・ワクワク」の残留思念として描いています。
感情の作り方としては、例えば「楽しい」にしたいとき、何が楽しいのか、なんで楽しいのか、どんな時楽しいのかなどを考えることによって、より具体的な感情を作ることができます。
感情が作れたら、それをキャンバスにぶちまければいいのです。
「楽しい」一つにしても、笑顔なのか、飛び跳ねる様子なのか、様々な色を使うかなど表現は自由です。
最後に
表現の世界において、感情を出すのは難しいですが、とても面白いことです。
これからどんな作品が生まれるのでしょうか、乞うご期待です。
ちなみに、芝居のこと考えていたら、またやりたくなってきました。
今度は俳優じゃなく、脚本・演出で関わりたいですね。
劇団作っちゃおうかなw




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